第189回国会 財務金融委員会 平成27年5月15日

fb20150424-1

議事録

伊東(信)委員

維新の党の伊東信久でございます。金融商品取引法というのは毎年のように改正されておりますけれども、本改正案は、いわゆるプロ向けファンドの制度に対してより厳しい規制を設けるということだと理解しております。

私自身もこのプロ向けファンドに関してはちょっと苦々しく思っているところがございまして、というのは、私の経営している医療法人にも営業の電話が実際何度かかかってきます。受付の子が、つながなくてもいいんですけれども、プロ向けファンド、それは伊東先生喜ぶわということでつないでしまって、営業電話に対応したことが何回かありました。本当に今はむちゃくちゃでございまして、お医者さんだけに特別に御案内しますとか、絶対出てくるのが、ここだけの話という言葉なんですね。絶対にもうかりますまで言います。最後には、僕の言うことを信じてくださいと。選挙かと思うんですけれどもね。

今にして思えば、金融商品取引法や金融商品販売法で禁じられている勧誘をしておりました。もちろん、今はそういう対応はしませんけれども。ただ、勧誘の電話というのは非常に上手でして、うちの医療法人に欲しいくらいの営業マンだと思います。かなり粘りますね。

麻生大臣とは、たしかこの財務金融委員会で前に、ジュニアNISAに関連して、コミックの「インベスターZ」という話、高校生が学校を挙げて投資をするコミックについてお話もさせていただいたことがあったんですけれども、プロ向けファンドのコミックはないかと調べたら、あったんですね。「クロサギ」という漫画で、厳密には「新クロサギ」という漫画、コミックでプロ向けファンドについて描かれておりました。その回は、御興味のある方は五巻から六巻を読んでいただいたらいいんですけれども、環境ファンドに関してなんですね。

読んだ当時というのは、まだ私は先ほどの医療法人の理事をやっていて、政治の世界に入る前でしたので、こんな詐欺もあるんだなと思っていたんですけれども、現実の世界においてもこのようなだましや詐欺が横行していることに驚きを覚えました。前述の営業マンのような電話営業に高齢者が対応すると、だまされて購入するのも確かにうなずけます。そういった観点から考えると、やはりちょっと本改正案の規制強化は甘いように感じます。

一方で、経営者の立場からしますと、ベンチャー企業がいかに資金集めに苦労しているかというのも十分理解しております。また、うちの医療法人への電話なんですけれども、事業意欲のある若者が、伊東先生、僕の事業に出資してくださいというお願いもやはり来ます。彼らの苦労を目の当たりにしているので、ベンチャー企業、特に二十代後半から三十代にかけての若者のベンチャー企業の貴重な資金集めの方法に歯どめをかけてしまうような規制というのは、ベンチャー育成の観点からすると反対です。

ただ、今回の改正案では引き続き届出制を採用し、業者を事前に審査する登録制に変更しないと理解しております。確かに、登録制にするとファンド運営業者の訴える新規参入のハードルが高くなるということは理解していますし、ベンチャー企業育成の足かせになってもいけません。

通常、業者がファンドの持ち分を取り扱う場合、第二種金融商品取引業としての登録が必要となりますけれども、プロ向けファンドはプロ向けであることから届け出でよいと、販売、勧誘規制が大幅に緩和されるのが現状であります。現実に、詐欺にだまされた高齢者の方から、お国のお墨つき、このお墨つきという言葉にやはり弱いようで、これを得ているので信用してという声が多々ありまして、また、勧誘の電話で金融庁に届け出をしていると、この届け出をしているという言葉も、金融庁公認の事業であるかのように説明し、相手を信用させているようだとも聞いています。

財金調査室が用意してくれた本改正案の資料をよくよく読んで、非常にシンプルですけれども、投資家保護の観点とベンチャー育成という観点の二つの観点からバランスよく考えなければならないので、財務省及び麻生大臣の御苦労というのはよく理解しているんです。

五分たったのでここらで質問させていただくんですけれども、本改正案において登録ではなく届け出を継続した趣旨について、いま一度、大臣に御説明いただきたいんです。

麻生国務大臣

登録制、届出制、先ほど御質問があっていましたけれども、ヨーロッパは登録制にしてあるんですね。アメリカの場合も、ベンチャーキャピタル用のファンドだけが届出制になっていまして、あとのは登録制になっている。たしかアメリカはそうなっていると記憶をします。

そこで、今回の設計をする、設計というのは、登録制にするかあれにするかというのをいろいろ考えたときも、ファンドを通じた成長資金の円滑な供給というものを考えていくに当たっては、これは投資をする人の気持ちを阻害することにならないようにということで、被害の防止と育成という両立を図っていくことが一番大事なところだと思っておりました。

仮に登録制に移しちゃうと、これは逆に登録審査というのに必ず時間を要することになりますので、ファンドの迅速な立ち上げというのは極めて難しくなるということだろうというのが非常に大きい。したがって、実務に影響を与えるということは確かだろうと思いますので、今度の金融審議会での議論などを踏まえまして、今般の改正では届け出ということにさせていただいております。

届出制は維持しますけれども、しかし、届出者に係る要件の導入というので、行為規制は確認しますよとか、問題業者ということがはっきりした場合は行政が介入しますよとか、そういったところはきちんとさせていただくことになって、これでどれぐらい効果があるかというところが先ほど丸山さんだったかの御質問にあっておられたところで、これでどれぐらい効果があるかというところが一番私どもの見るところであります。

効果があれば、それはそれでもう言うことはないんですが、なかなか難しいということになって、どんどんまたふえていくということになれば、それはさらに別のことを、規制をもっと厳しくするとか、人をもっとふやすとか、そういったようなことをやらないかぬということになりますので、ちょっとしばらくこれでどれぐらいの反応が出てくるかというのを見た上で、その上で判断をさせていただきたいと思っております。

伊東(信)委員

麻生大臣、ありがとうございます。きちんと確認をしていただけるということで。

ちょっと話はかわるんですけれども、成長産業となる医療の世界でも、再生医療の認可に関して、届出制と登録制の分類に関してかなり盛んなる議論もされていますので、届出制と登録制のバランスというのは本当に非常に大事なことだと認識しております。その後の確認の重要性というのは、大臣が今御答弁していただいたと認識しております。

先ほどの我が党の丸山議員の最後の質問にありましたように、ここでやはりポイントとなるのは、投資性金融資産一億円以上という話に私も持っていきたいと思っておりまして、現行のプロ向けファンドに対する規制では、投資に関する知識に乏しい高齢者に悪質なファンド業者の勧誘による被害が続出しておる、これを先ほどから強調しておるんです。

国民生活センターの調べで、プロ向けファンドの契約者の九割が六十歳以上、販売購入形態は勧誘電話が六割、これに出てしまったのが私なんですけれども、訪問勧誘が三割ということですね。なけなしの老後資金で投資を行い、だまされた御年配者も後を絶たないわけです。現在もその事態は起きていると理解しているんですけれども。

昨年五月のパブリックコメントに、出資者の範囲を投資判断能力を有する一定の投資家及び特例業者と密接に関連する者に限定するために、適格機関投資家以外の枠に富裕層個人、定義は投資性金融資産を一億円以上保有する個人投資家とあります。丸山議員の質問では、一億円と決めた理由と、業者側がそれを確認できるのかという話がございましたけれども、投資性金融資産一億円以上の定義を再確認したいので、政府参考人の方からお答えください。

池田政府参考人

投資性金融資産の定義というお尋ねでございます。

これにつきましては、今後、政令、内閣府令等で定めていくことになりますが、具体的には、有価証券、それからデリバティブ取引に係る権利、デリバティブ預金、外貨預金、変額保険、外貨建て保険等、こうしたものが投資性金融資産として定義できるのではないかと考えております。

逆に申しますと、通常の預貯金でありますとか不動産とかは投資性金融資産には含まれないというふうに考えているところでございます。

伊東(信)委員

丸山議員も最後のところで意見というかお願いとして言っていたことなんですけれども、実際に業者側がきちっと、投資性金融資産を一億円以上個人が持っていると。例えば、私は持っていませんが、伊東がちゃんと一億円以上持っているのか、そういうのを業者側がきちんと確認したのか、それをどのように調べるのか。先ほど丸山議員には制限の枠でできるのかというところのお答えをいただかなかったんですけれども、きちっと業者側が確認できているのかというのを政府としてはどのように確認するのか、もう一度お答えください。

池田政府参考人

金融商品取引法のもとの制度でいいますと、例えば従来から金融商品取引業者につきましては適合性の原則といった原則が定められておりますが、そうしたものを遵守するために、金融商品取引業者では、顧客の財産の状況等を顧客の申告ですとかあるいは預かり資産の状況により把握しまして、これに基づいて投資性金融資産の保有状況を判断しているのが一般であるというふうに考えております。

プロ向けファンドの販売時における顧客の資産状況の確認方法につきましては、一方では、この点についても健全に営業しているプロ向けファンドの実務に支障が生じないよう配意をしていく必要があるものと考えますけれども、同時に、販売の相手が認められる投資家に該当するか否かの確認が確実に行われることとなるような手当てについて、必要があれば、監督指針に確認のあり方について何らかの規定を定めることも含めて、今後具体的に検討していきたいというふうに考えているところでございます。

伊東(信)委員

恐らく、私の医師仲間にもだまされた人がいると思うんですけれども、多分、恥ずかしくて言っていないだけだと思うんですね。国民生活センターの調査の話を先ほどしましたけれども、相談された人はやはりだまされた人のごく一部だと思うんですね、老後の余剰資金が潤沢でない人だと推察されるんですけれども。

本改正案のベストとしましては、ベンチャー企業の資金集めに不都合が生じることなく、老後の余剰資金が潤沢でない御年配の被害を防ぐということになると思うんですけれども、登録制を採用するのではなく、届け出を継続される場合、だまされてしまう御年配者を一人でも救う方法としましては、富裕層個人の定義をしっかりさせて、投資性金融資産を一億円以上持っていなければファンドに参加できなくするということだと思うんです。

投資性金融資産一億円以上の富裕層個人は政令で規定すると聞いていますけれども、本改正案の最大の肝は老後資金に余裕のない年配者から詐取する可能性を少しでも低くすることだと考えているので、きっちりと法制化した方がいいと思うんです。いま一度、いま一度という言葉を使いますけれども、麻生大臣、いかがでしょうか。

池田政府参考人

お尋ねは、現在、政令等に委任される形に現行法はなっておりますが、それを法律で規定するということも検討してはどうかという御趣旨かと受けとめました。

出資者の具体的な範囲については、今回の法改正案といいますか、現行法において既に政令等に委任がなされているところでありますが、こういう形となっておりますのは、その時々の経済、金融の状況ですとかファンド等をめぐる取引の状況などに即して、一定の投資判断能力を有すると認める者の具体的な内容を適時に機動的に定め、ファンドの健全な運営に配慮しつつ、同時に投資者保護を適確に図っていくという考えに基づき、政令に委任する規定になっているものと理解をしております。

御指摘にありましたように、こうしたものを法律に規定するということにした場合には、先ほど申し上げましたような考え方に照らしたときには、投資者保護の確保に向けた機動的な対応を困難にするおそれがないかということに留意される必要があると考えているところでございます。

したがいまして、今回のこの制度の見直しにおきましても、出資者の具体的範囲については、政令、内閣府令において定めるという現行の規定を維持させていただいているということでございます。

伊東(信)委員

通告においても麻生大臣にもこういったことに対しての御意見をお伺いしたかったんですけれども、大臣、いかがですか。

麻生国務大臣

政令と法律のところは、隣の丸山さんなんかの方が詳しいところなんだと思いますが、これは法律でしちゃうと、今言われるからわかるんだろうけれども、こういうのをたびたび開いてやらない限りは変えられないんですよ、一回決めちゃうと。何かごちゃごちゃ言いたそうな人がいっぱいいるでしょうが。そういう人がいるわけですよ。だから、一回決めたらなかなかできない。

そうすると、こういったようなプロ向けファンドが出てきて、まだよたよたしながら今でき上がりつつあるところだと、ある程度機動的に、これはぱっと変えないかぬとか、間違った、これはだめだ、どうしても、これをやっても登録制にしなければもう無理とか、いろいろな判断が多分今後は出てくるんだと思うんですね。状況を見ないと、しばらく動かしてみないとわかりませんけれども、そのときに機動的にやらないと、被害が大きくなるといよいよ話がさらに、細かいきちっとしたものをつくり上げちゃうと今度はファンドの方が動かないということになりかねぬというのを考えて、登録制じゃなくて届出制にしてみたり、法律じゃなくて政令にしたりしているというのはそういう背景と御理解いただければ幸いであります。

伊東(信)委員

先ほどから申し上げていますように、投資家保護の観点とベンチャー育成という観点と、二つの観点から考えなければいけません。

ただ、本改正案によって、お孫さんのためにためていた資金や老後資金をだまし取られてしまうことがなくなるように切にお願いいたしまして、時間となりましたので、私の質疑を終わらせていただきます。