第189回国会 財務金融委員会 平成27年4月24日

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議事録

伊東(信)委員

維新の党の伊東信久でございます。

本日は、二十五分間という短い時間ではございますけれども、よろしくお願いいたします。

それでは、内閣官房の方にも来ていただいていますので、まず冒頭、一昨日発覚いたしましたドローンの落下事件についてです。

報道ベースによりますと、日本の中枢機関とも言える総理官邸の上空が全く危機管理されていない状態であったことが明らかになりました。さらに、ドローンが落下した屋上には約一カ月間にわたり人が立ち入っていないことが明らかになりました。

この辺の危機管理に甘さを感じているんですが、まずは、この事件について今後の対応策を教えてください。

塩川政府参考人

お答えします。御指摘の事案につきましては現在警視庁において捜査中であり、官邸などの警戒警備についても、その捜査結果などを踏まえつつ、随時必要な見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。

なお、警察としては、本事案の発生を踏まえ、官邸周辺空域に対する警戒監視を徹底するとともに、周辺エリアにおける検索を強化するなど、警戒警備に万全を期しているところでございます。

伊東(信)委員

まあ通り一遍の答弁だと思うんですけれども、このドローンに、放射性物質が含まれた、正確に言うとセシウム137が入っている液体がプラスチック容器の中に入っていたということなんですけれども、毎時一マイクロシーベルトということで、直ちに人体に影響がない程度ということなんです。

かかるいろいろな状況を今調査中だと思うんですけれども、人体に影響がない程度のもの、しかしながら放射性物質というような危険なものがそこに存在していたというのは事実でございまして、これは、こちら側のことではなくて、向こうが人体に影響がない程度のものを設置していたのか、たまたまそれぐらいの程度のものだったのかわかりませんけれども、逆にこれが非常に危険なものであったらどうするのかということも踏まえて、今後の対応策を、具体的にどうすべきかということについて、もう少し詳しく教えてください。

塩川政府参考人

お答えします。私、警察庁からでございますので、警察の方だけでお答えできる話ではないとも思うんですけれども、現在、ドローンというものについては法規制がない状態でございます。こういったことについては、政府として検討していくことになっているというふうに承知しております。

そういった観点で、現実に起きたことでございますので、今後対策が検討されてまいると思いますし、また、今御説明したとおりでございますけれども、警察としても、できる範囲のところで万全を期すように現在措置をとり、実際に警戒警備の体制なども既に見直したところでございます。

麻生国務大臣

これはちょっと警察だけで答弁ができないと思うので。これは規制の話ですが、このドローンというのはよくできています。小さいものから大きいものまで見たことがありますし、大きなメーカーも知らないわけじゃありません。これは昔から研究していましたので、現場を見に行ったことがあります。農薬をまいたりするのにすさまじくこれは便利なもので、省力化になりますし、いろいろな意味で使えるし、工事現場でもカメラをつけて使えたりします。ダムの建設現場を含め、物すごく使い道が広いということでこれは開発されつつあったものです。

使い方によってはという話はよくある話で、医者をやっておられたので、同じニトロでも、心臓にも効くけれどもダイナマイトにもなるというわけですから、それと同じ話で、これは両方使えます。これを警察だけに任せておくと、とにかく規制、規制で、何だか知らないけれども、いきなり、将来大きなものを生みそうなものまで潰されかねませんから。

そういった意味では、これはいい面で使えばちゃんと使えるという部分と、国家の、例えば財務省なんてあの辺では一番低いビルですから一番落としやすいところでしょうけれども、ああいったところやらをきちんと守るという話と全然別に考えないといけない。

きちんとそういったものを総合的に考えていくべきだとは思いますが、考えようによっては、ほら、こういうこともやられるんですよ、おたくの警備はこれだけ手薄なので、今の近代化されたものには警察の対応力では全然無理よということを教えてくれた親切な人がいたと考えたらどうだと。これはアメリカ人が言ったせりふなんですけれども、ああ、こいつらは俺たちと発想が全然違うやつだなと、僕はきのう、そいつとしゃべりながらつくづくそう思ったんです。

ぜひ、そういったいろいろな意味で、これはいい面と危険な面と両方見て対応していく必要があろうと存じます。

伊東(信)委員

麻生大臣、ありがとうございます。この後私が言いたかったのもそういう意味で、ドローン自体は、大臣の御答弁にもありましたけれども、災害にも工事にも使えますし、もちろん医療の現場でも活躍しております。私、特別委員会が科技特でございまして、ドローンも、無人の操作になりますけれども、災害におけるロボットとしての有用性も今後いろいろ検討できる、そういったポテンシャルを持っております。

ですので、いい面と悪い面というのもあると思うんですけれども、一つ今回明らかになったのは、大体十万円台でGPSもついたそこそこのものが買える。ということは、製作とかのコストもそれ以下になる。一番安価なものになると、一万円以下でもある。ただ、一万円以下のものの性能はどうかということもありますけれども、いずれにしても、悪い方の面でいくと、それが武器になるとすれば、安価なところで武器がつくられるというところも、今回、危機管理の面では教訓になったと思います。総理官邸は日本の中枢ですので、ぜひともしっかりとした対応策をとっていただきたく、お願い申し上げます。

続きまして、社会保障と税の一体改革に関連した質問をさせていただきます。

社会保障と税の一体改革により、消費増税により増収した収入全てを社会保障費に充てることが決まりました。

消費税率が一%上昇すると、国は二兆円の増収になると試算されています。一方で、社会保障関係費は年間一兆円規模で自然増していくと想定されています。となると、単純な計算ですけれども、消費税を一%上げれば二年分の社会保障関係費を補充できる計算になります。

消費税が八%に上がったのは二〇一四年四月で、一〇%に上がる予定は二〇一七年四月になっています。五%から一〇%に直接上がった場合は増収が約十兆円と見込まれ、社会保障の観点からすると、十年の増加分には耐えられるということになります。二〇二四年までは何となく何とかなるという、単純な計算ですけれども、そういった計算になります。しかし、二〇二四年まで何とかなるというのは、二〇二四年まで財政状態が現状維持できるということでありまして、財政再建にはつながっていません。

私自身は、民主党政権時に自公と三党で社会保障と税の一体改革が成立したことに対しては、国会議員になる前でしたので、一人の医師としてそのこと自体は喜ばしいということを感じていましたが、中身自体、単に、増加する社会保障の負担をどこに強いるか、国民に強いているだけで、抜本的な改革ではないのかと失望しております。

厚労委員会におきまして、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険等の一部を改正する法律案に対して、私、一昨日質疑させてもらいましたが、こちらも、負担のツケ回しに終始しているだけで、抑制策ということは全くと言っていいほどありませんでした。

せっかく社会保障と税の一体改革で社会保障費の増加分をカバーするということであるのならば、この数年間で、これもモラトリアムと言えるのではないかと思うんですけれども、モラトリアム期間とも言えるこの期間で社会保障費の抜本的な改革を進めるべきではないかと考えております。

せっかく社会保障と税の一体改革によって社会保障関係費の抜本的改革に着手できるチャンスに恵まれた安倍内閣だと思うんですけれども、厚労委員会の話になるんですけれども、今回の持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険等の一部を改正する法律案は、今申し上げましたように、負担のツケ回しに終始しているだけで、医療費抑制には全くと言っていいほど踏み込めていないことに関して、副総理としての感想を聞かせていただきたい。

麻生国務大臣

社会保障と税の一体改革は、消費税を五から一〇に上げるのに三と二、いろいろな形になりましたけれども、そのときの大前提というのは、今後、日本の国家として、少子高齢化の流れは当分の間はちょっと変わらぬだろう、そうすると、いわゆる団塊の世代が後期高齢者だ何だということになっていくときにはとても対応ができないと。

そういうときに当たって、今のように、ほっておくと医療費というか社会保障関係費が毎年一兆円ずつ伸びますというような状況にしておいたままやれば当然財政はもちませんから、国民皆保険だなんてとんでもありませんよということになるというので、三党で真剣に検討された結果、こういった形で三党で合意をした。税の値上げを与野党で合意したなんという国は、先進国ではなかなかない例なんです。そういった意味では、大したものだと思うんです。

その結果、今、医療費の改正とか社会保障全体の改正というのを全部やらせていただいて、例えば今の段階でも、ことしの予算では、去年の八月の概算要求の段階で社会保障関係の値上げが約八千億円だったと記憶しますけれども、実際には四千億円前後でおさまるところまでいろいろなものをやらせていただいたんです。

例えば、紹介状なしで大学病院を受けるというのは、先生なんかは詳しいところでしょうけれども、定額負担など、医療サービス利用者の行動の適正化ということをやらせていただいたり、医療費適正化計画の実効性ということにおいては、保険者機能の強化といったことをやらせていただいて、具体的なことを言った方がいいのかどうか存じませんが、後期高齢者の保険料の特例軽減の見直しとか、それから入院時の食事代の引き上げ、また所得水準の高い国保組合の国庫補助金の見直し等々、幾つかありますけれども、こういったようなことをやらせていただいて、我々としては努力をさせていただいております。

これまで決定されたものというのは、先生、簡単に言えば大枠の制度、社会保障と税の一体改革ということで全体の枠が決められただけですから、細目について、保険者や被保険者などが医療費の適正化というものに双方で取り組んでいかないとどうにもなりませんので、詳細なルールとか設計というものは行政によって周知をさせないと、ある日突然に変わったりしてもあれなので、きちんと周知させることが重要だということははっきりしていますので、引き続き、病院はもちろん診療所等々いろいろなところにきっちり働きかけていくということが大事であろう、私どももそう思っております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。大臣の財政再建への熱意は重々承知しております。しかしながら、厚労省と麻生大臣の熱意にちょっと温度差があるようにも私自身感じております。

現役の医師みずから積極的に医療費の抑制に取り組むというのは、本当に、身を切る改革じゃないですけれども、余りないことなんですね。ただ、社会保障と税の一体改革で大切なことは、大臣はこれからとおっしゃいますけれども、やはり医療業界の方に医療費抑制の文化を根づかせることでありまして、性善説で任せておいても医療費削減にはつながらないと思うんですね。

現実は、監督省庁である厚労省が率先して医療費抑制を指導するべきだと思うんですけれども、言い方は悪いですけれども、ここは財務金融委員会なので財務省にいいことを言っているわけじゃないんですけれども、財務省が幾ら頑張って財源をふやしても、厚労省が負担をふやしている感じもします。

再三申し上げているように、ジェネリック医薬品の使用率の向上やバイオシミラーの積極的な使用促進など、他国で当たり前のように取り組んでいることが日本では大きく取り残されているんですけれども、いま一度、本当に、副総理である麻生大臣が音頭をとって医療の現場に医療費自体の削減を言及してほしいのですけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣

先生はお医者さんだったのでおわかりと思いますけれども、例えばジェネリックの話にしても、新薬というものを一番開発しているのは間違いなくアメリカ、特許の数を見ても圧倒的にアメリカだと思いますし、次にスイス、フランスというところが続いてくるのかなと思いますが、アメリカでは、後発の薬の使用というのは九割を超えていますものね。一番新薬をつくっているアメリカで、後発のものの使用が九割なんですよ。日本は四割。ですから、これを詰めるだけでウン千億違うと思います。これは毎年ですからね、先生。

だから、そういった意味で、一つの現場の話としては幾つもあります。そういったものを数え上げるといろいろあるので、保険給付の範囲とか医療費の適正化とか、いろいろな役所用語はいっぱいありますけれども、現場に言わせれば、今申し上げたような小さな小さな話。でも、これは皆保険ですから、数からいきますと物すごい量、イコール巨額な予算になります。

そういったことで、私どもとしては、患者負担というものについて、例えば、何歳というのは知っているけれども、昔の何歳と今の何歳は見てくれは全然違うぐらい、今の人は平均寿命も全然違います。昔は五十五歳で高齢者だったんですから。今は、とてもじゃない、七十五歳でこの程度ですから、まだ働けそうなのはいっぱいおりますので、働ける人はやはり働いてもらうという方向で考えないと。働ける人は働いてもらって税金を納めてもらう方が、働けるのに働かないで、何となく暇潰しに病院なんかに来られたら迷惑だといって医者がわんわん怒るのは僕も無理ないなと。私は、自分で病院をやっていますから、よくわからぬわけじゃありません。

そういう話をよく聞くにつけ、やはりこれは全部で少しずつやらないといかぬというか、現場の話をやるのが一番大事なこと、そして加えてレセプトのIT化とか今いろいろなものがありますけれども、こういったものをやることによってコストがどんと下がりますので、そういった努力というものをみんなで、あちらこちらでやっていく必要があろうか、私どもはそう考えております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。みんなで考えていくというところに大臣の熱意をやはり感じられましたので、今後も、麻生大臣に音頭をとっていただいて、こういった問題に取り組んでいただければ幸いです。

時間もあと五分となってきましたので、もう一問ぜひともお聞きしたいことがございまして、財政再建の新指標に債務残高対GDP比を用いることについての質問を最後にさせていただきます。

債務残高対GDP比の指標を用いること自体は、私自身、反対ではありません。ただ、この数値を、以前の質疑にもありましたけれども、プライマリーバランス、PBよりも優先的に掲げてしまいますと、歳出削減をしなくても財政再建が進んでしまうという誤解を国民の皆さんに与えてしまうのではないかという心配があります。

安倍政権になってから経済成長が続いていますので、隅々までは行っていないと私も思うんですけれども、株価を含めての経済成長が続いているので、この指標を用いたい気持ちは重々承知しているんです。この債務残高対GDP比の指標は、先ほどの社会保障の話じゃないですけれども、歳出削減の手を緩めてしまうのではないかという一抹の不安も覚えております。

さて、この指標を用いるにしても、プライマリーバランス、PBの黒字化が一番手で、第二の目標として債務残高対GDP比を用いるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣

時間もあれなので、答えはそのとおりです。これで十秒で終わるんですけれども。基本的に、プライマリーバランスという、プライベートブランドと間違えた人もいっぱいいるような単語がある日突然に政府から出てきたんですが、基礎的財政収支ということですが、基礎的財政収支は御存じのように金利が入っておりませんから、したがって、PBバランスをゼロにします、半減化しますといっても金利はそのまま残っておりますので、金利がどんどんふえていけば国債のあれは累積していくことになります。

したがって、今言われたように、きちんとした目標というのを、二〇二〇年度に仮にゼロを達成できた、その後は債務残高対GDP比というものにしますと、金利もその中に入ってまいりますので、そういったものを次の目標として掲げるというのは決して間違っていない、私も全くそう思いますが、その前のPBのバランスまでもいっていないわけです。まずはそこまでやるところからスタートさせていただいて、それを達成した次に今言われたような目標をきちんとやるべきであって、やるに当たっては、歳出削減もやらないかぬ、税収を伸ばすこともやらないかぬ。全てやらないとこれはとても達成できる話ではありませんので、やはり長いことかけてこれだけ赤字をやってきておりますので、そんな簡単に一年や二年で、はいと直るはずもありませんので、きちんとした努力を各項目にわたって全部やり上げていかぬと、さっきの医療費の支出も含めまして、大事なところだと思っております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。最後、医療費のことも含めておっしゃっていただきました。我々医師というのはインとアウトというのを常々考えていまして、例えば何ミリからの血液を流したら、そこに同じだけの水を入れるだけではだめで、中に含まれている塩分とかミネラルも考えなければインとアウトのバランスがとれないということで、だったら出血しないようにしようよと考えるのがまず外科医の発想で、入れることばかり手をかえ品をかえしてもだめなわけでございます。

この歳出削減に関してというのが財務金融委員会に来させていただいた私の目標でございまして、医療業界というのは残念ながらまだ既得権益というのが残っております。余り言い過ぎると医者の友達が減ってしまう可能性があるんですけれども、安倍総理の三本目の矢において農協改革を断行されてきましたので、ぜひとも医療改革の方も断行してほしいということを結末にいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

ありがとうございました。