がんと闘う「NKT細胞標的治療」
医療技術が進歩した現代においても、がんはいまだに多くの人の命を奪う天敵です。
日本における年間死亡者数を見ても死因の1位はがんであり、
これは1981年以来その座を一度も譲っていません。
もちろん医療従事者や研究者は、がん患者を救おうと治療法の研究を日々続けていますが、
それでもなお打ち倒すことが叶わない病が、がんなのです。
(「はじめに」より抜粋)
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がん細胞は、誰の体内でも毎日3000~5000個は発生しているといわれています。
それでもがんにならないのは、体に備わっている免疫機能によって日々排除されているからにほかなりません。
しかし免疫機能も加齢とともに低下していきます。
がんの3大療法である手術・放射線・抗がん剤に加え、近年は「免疫療法」も注目されています。
なかでも理研免疫再生医学が研究・開発した「NKT細胞標的治療」は、自然免疫と獲得免疫の両方の機能を併せ持つ、
免役のなかのスーパーリーダー的なNKT細胞による最新の免疫療法です。
このNKT細胞の働きを活性化すれば、免疫機能全体の働きを高めてがんに対する攻撃力が強化されることがわかってきました。
この新しい免疫療法が、いかに有効であるかをエビデンスに基づいて解説するとともに、
免役のメカニズムなどの基礎知識も提供することで、玉石混淆である免疫治療の情報の中から正しいものを紹介します。