第189回国会 財務金融委員会 平成27年3月13日

議事録

伊東(信)委員

維新の党の伊東信久でございます。

本日は、安倍内閣総理大臣の出席の中で財務金融委員会が開催され、さらに質疑させていただくという貴重な機会をいただきました。時間厳守ということですので、時計を見ながらしっかりと質問させていただきたいと思います。

さて、内閣提出の所得税法等の一部を改正する法律案に対する質疑ということでありますが、先日、麻生財務大臣に、NISA、ジュニアNISA、キャピタルゲイン課税の特例措置等を御質問し、不明な点についてお答えいただき、また、意見も述べさせていただきました。

本日も、総理に同じような質問をさせていただこうかと考えましたが、副総理でもあります麻生財務大臣に既にお答えいただいておりますので、医療法人の理事長そして外科医であります私でございますので、社会保障費の抑制そして財政再建に向けた提案をさせていただきたいと思います。

麻生財務大臣におきましては、財務金融委員会なのにまた社会保障の話か、またバイオシミラーの話が出てくるのかと思われるかもしれませんが、日本の財政健全化のために頑張ってまいりますので、時間内でよろしくお願いいたします。

さて、平成二十七年度予算における社会保障費は三十一・五兆円と、残念ながら年々一兆円規模で増大しております。

第一次安倍内閣が発足した二〇〇六年ですけれども、この二〇〇六年というのは、私がくしくも政治の世界に入ったきっかけとなりました、安倍総理もテレビ番組の一つの企画で一緒に温泉にも入られたことのある、やしきたかじんさんの椎間板ヘルニアのレーザー治療をさせていただいた年でございまして、たかじんさんの助言を受けまして、私も今この場で質疑をさせていただくという御縁もあります。

その二〇〇六年の社会保障関係費は二十・五兆円でしたので、十年弱の期間で十一兆円が増加したことになります。

ここで、まず最初に安倍総理にお尋ねしたいのは、この年々増加する社会保障関係費、十年弱で十兆円規模で増加する社会保障関係費を抑制する対策、方策を教えていただきたいのです。

安倍内閣総理大臣

世界に冠たる国民皆保険、皆年金制度を初めとする社会保障制度を次の世代に引き渡していく責任を私たちは負っていると思います。

その上において、今御指摘になったように、社会保障の充実、安定化を行っていくこと、そのために、例えば消費税も引き上げているわけでございますが、不断の見直しを行い、重点化、効率化を行うことが必要だと思っております。

平成二十七年度予算では、消費税増収分を活用して、子ども・子育て支援新制度の予定どおりの施行など社会保障の充実を図る一方、制度を持続可能なものとしていくため、経営の実態を踏まえて介護報酬を改定しました。協会けんぽの準備金が法定分を超える場合において、相当額の国庫補助を縮減しました。そして、生活保護の住宅扶助などについて、実態を踏まえての見直しなどの取り組みを行うこととしております。

今後とも、給付と負担のバランスがとれた持続可能な社会保障制度を確立するために、不断の改革を進めていきたいと思っております。

伊東(信)委員

社会保障関係費の抑制と一言で申しましても、非常に難しいことだと認識しております。ここの問題意識、そして、何とか対応策を立てていこうということは一致していると思うんです。

少子高齢化が進み、年金、医療、介護の給付額はウナギ登りに増加しておりまして、先ほど御答弁がございましたように、介護の問題、生活保護の問題と、施策が今まさになされようとされているところでございましょうけれども、社会保障と税の一体改革、その中で、後発医薬品、つまりジェネリック医薬品の使用促進は大きな施策の柱となっております。生活保護に関する法律の中にも組み込まれております。医療費削減に大きな貢献をしております。

三月二日の予算委員会におきまして塩崎厚生労働大臣に御答弁いただきましたけれども、私は、バイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーこそが社会保障関係費の抑制につながると考えておりますし、ことしはバイオ医薬品の特許切れが生じ始めるので、まさにバイオシミラーの元年であり、最大のチャンスだと捉えております。

バイオ医薬品というのは、総理も克服されました潰瘍性大腸炎や、がん、リウマチ、低身長を初めさまざまな難病の治療薬として使われておりますし、医薬品の市場におきましても、世界の医薬品の売り上げトップテンの品目のうち、実に七割がバイオ医薬品となっております。最上位の幾つかのバイオ医薬品は、一製剤だけで売上高が一兆円を超えるため、医療はもちろんのこと、産業力としても非常に強いパワーを持っております。

しかしながら、我が国の製薬企業はバイオ医薬品分野での研究開発に大きなおくれをとっておりまして、世界で販売されているバイオ医薬品の売り上げ上位二十製品は全て海外企業のものです。

また、国家戦略から見ましても、韓国では国家としてバイオ分野での産業振興に力を入れておりまして、特にバイオシミラーについては、二〇一〇年に策定したバイオシミラーグローバル輸出産業化戦略において世界トップのシェアを獲得することを目標に掲げて、研究開発や設備投資に対する助成や専門人材の養成、公的な生産設備の整備を行っております。

一方で、日本はといいますと、研究分野における国としての開発戦略の不在や新技術に対する承認ルールの未整備など、バイオシミラーが普及する体制が整っておりません。国の戦略、企業力も、海外と比較して残念ながら見劣りしております。一昔前、日本は医薬品に関してはフロントランナーのポジションでありましたが、今となっては残念ながら他国の後塵を拝しております。

バイオシミラーが普及しない理由に、高額療養費制度や難病などの公費助成といった手厚い制度によって、バイオ医薬品とバイオシミラーのどちらを使用しても患者負担が変わらないので、バイオシミラーを使って自己負担分を軽減するという動機づけが患者サイドから生まれないということが挙げられます。このこと自体は非常にいい制度だと思うんですけれども、日本は既に大きく出おくれてしまっている感がこのバイオシミラー分野にはあると思います。

しかしながら、まだまだ巻き返しは可能だと思いますし、何よりも社会保障費抑制において、必ずやバイオシミラーは活躍してくれるはずだと思っております。

政府として、後発医薬品全体の数量シェアを平成三十年度までに六〇%以上にするという目標を掲げてあるロードマップを作成していることは存じ上げております。しかしながら、これだけでは他国そして海外企業と十分に闘うことはできません。

そこで、私は、バイオシミラーの普及は社会保障費の抑制そして財政再建につながると確信しておりますし、バイオシミラーの使用促進に向けてさまざまな面から環境整備が必要だと考えておりますが、改めて厚労省のお考えを教えてください。

橋本大臣政務官

バイオシミラーにつきましてのお尋ねをいただきました。

もう既に御案内のとおりだと思いますけれども、バイオ後続品、バイオシミラーというのは、国内で既に承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等、同質の有効性、安全性を有することが治験により確認されている医薬品ということでございます。

これも既に御指摘がございましたけれども、今、厚生労働省といたしましては、バイオ後続品も含めた後発医薬品全体の数量シェアについて、平成二十五年九月の調査では四六・九%であるところ、これを平成三十年三月末までに六〇%以上とすることを目標とする、後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップを平成二十五年四月に策定し、使用を進めているところでございます。

御指摘をいただいておりますように、このバイオシミラーについて、先発品と比べて価格が低いというところはございます。もちろん、それで同じような効果があるのであれば当然使用を進めていっていただきたいということを私たちも思っているところでございまして、臨床上の必要性に応じて、医師の判断のもとで適切に使用を進めていく、そうしたことで医療費の効率化を図ってまいりたい、このように考えております。

伊東(信)委員

橋本政務官、ありがとうございます。

しかしながら、やはりどうしても、後発医薬品全体の中でバイオシミラーが扱われると、私が常々指摘させていただいているとおり、国の戦略におきましてお隣の韓国とかと同様にバイオシミラーに注目して別建てでやらないのは、そもそもの物質が生成のときから違うからでございまして、そのあたりについての御検討というのは厚生労働省の方で何かされているのでしょうか。

橋本大臣政務官

今委員御指摘いただきましたように、ジェネリック医薬品、後発医薬品というものは、成分そのものは全く同じものでございます。ということと、このバイオシミラーというものは、大きなたんぱく質のようなものでございまして、構造が違っていたりする、全く同じではないというところが、ジェネリックの取り扱いと少し違うところなんだろうというふうに思っております。

ということをもって、先ほど答弁申し上げましたように、やはり医師の判断のもとで適切に使用を進めていくということも必要なんだろうというふうに思っております。もちろん、その中で、きちんと治療に効果が上がり、かつ医療費が削減できるという効果があるということは十分認識はしておるところでございます。

伊東(信)委員

ありがとうございます。橋本政務官、きちっとバイオシミラーについては御存じいただいているというのがよくわかりますので。

ちょっと質問通告していないんですけれども、バイオ医薬品のことについて、御存じだと思いますけれども、総理、今の質問に対して、もしコメントがございましたら。もしくは、バイオシミラーというお言葉、伝え聞いていると思うんですけれども、御存じでしょうか。

安倍内閣総理大臣

私自身はバイオシミラーというのは余りよく承知していなかったんですが、御質問をいただきましたので、事前に少し勉強させていただきました。

このバイオシミラー、バイオ後続品でありますが、ただいま橋本政務官から答弁させていただきましたように、いわゆる後発医薬品とは少し性格が異なるわけでございまして、その点、医師の処方等によって慎重な扱いが必要だということであります。

しかし、同時に、先発品に比べて価格が低い、医療費の効率化の観点から、後発医薬品と同様に使用を促進していくことが重要と考えておりますので、先ほど橋本政務官も答弁させていただきましたように、六〇%以上とするというロードマップにつきましては、バイオ後続品を含め、後発医薬品の数量シェアということにしているわけでございますので、このバイオ後続品につきましては、後発医薬品に比べて高度な製造技術が必要であり、価格も高いということもありますから、我が国の医薬品産業の成長という観点からも普及を進めていくことが重要と考えております。

今後、医療関係者などの理解と普及を進めまして、さらに使用の促進を図ってまいりたい、こう思っております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。

本当に失礼な表現になると思うんですけれども、アベノミクスの三本目の矢は飛んでいないとか中身がないとかというさまざまな批判もございますが、岩盤規制を打ち破るという安倍総理の熱意は本物と信じておりますので、三本目の矢、つまり成長戦略が軌道に乗らないことにはやはり日本の未来は開けてこない、それは共通の認識として持っております。

このバイオシミラーの使用促進について早々と議論し、せっかくバイオシミラーという安価な医薬品があるのにもかかわらず利用が進まず、それだけではなく販売が進まないのであれば、当然のように企業は数十億もかけて投資をして開発を行ったりはしません。すなわち、バイオシミラーという産業政策においても、日本の立ちおくれというのは取り返しのつかないものになると予測されます。バイオシミラーの使用促進は、社会保障関係費の抑制という面だけではなく、日本の産業育成にもかかわっており、まさに産業育成は安倍総理の唱える成長戦略の一つでもあると考えておるんです。

このバイオシミラーを三本目の矢の一つに、つまりは総理の考えている成長戦略の柱になり得る存在だと私は考えておるんですけれども、安倍総理、いかがなものでしょうか。

安倍内閣総理大臣

これは、先発品と後発医薬品との関係にも似ているとは思うんですが、いわば先発品というのは、大量の研究開発費を投入して新しいイノベーションを起こしていくわけでありますが、後発品については、その起こったイノベーションを利用して広く患者に低価格で提供していくという役割を持って、この二つが相まって新しい薬を開発し、そしてさまざまな疾病に対する薬が誕生し、患者の人生を豊かにし、かつまた同時に、それがさらに広く普及していくということなんだろうと思います。

そういうサイクルが、バイオ医薬品におきましても、バイオの先発品と後続品の中において、性格が違うということは先ほど橋本政務官が答弁したとおりでございますが、それを前提として、そういう関係の中においてしっかりと普及していくということにつきましては、医療費の削減にもいい効果が出るでしょうし、同時に、産業政策としても意味があるものだろう、このように思っております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。社会保障関係費の抑制、財政再建、そして新たなる成長戦略、これらは個別でなく、同時に考えなきゃいけないことです。

きょうはバイオシミラーのお話をさせていただきましたけれども、日本にはまだまだ眠っている成長の種、シードがあると思います。その種を育てることができるか否かは時の総理の力にもかかってまいりますけれども、我々も日本のために全力で後押しをしてまいります。

ぜひとも総理には、バイオシミラーという大きく成長するであろう種を無視するのでなく、大切に育てていただきますようにお願い申し上げまして、現在四十分になりましたので、終わらせていただきたいと思います。

ありがとうございました。