第189回国会 財務金融委員会 平成27年3月11日

議事録

伊東(信)委員

維新の党の伊東信久でございます。

本日は、所得税法改正案の質疑ということでございまして、麻生大臣初め関係者の方々に御出席をいただいております。

私の持ち時間、本日は六十五分でありますが、実のある議論ができますように、ぜひともよろしくお願いいたしたいわけです。

実のある議論といいますのは、今回の所得税法改正案、時代時代に応じて、そのときの経済情勢に応じて改正していくということですけれども、目的としては、財源をしっかりと確保することだ、その財源を何に使うかということは、社会保障関係費ということも一つのテーマである、目的であると思うんです。

私も、現在も医療の現場において、具体的には、首とか腰のヘルニアを患っている方々の治療に励んでおります。もちろん、日曜日とか祝日、地元に行っていないときなんですけれども。手前みそですけれども、何でこんなことができるかというと、私のレーザー手術というのは十五分で終わっちゃいますので、入院とかがなく、先ほども民主党の先生がベッド数のことで軽減税率、ゼロ%税率の話をされていましたけれども、私の場合は日帰りの治療で済んじゃいます。手前みその話なんですけれども、大阪において、元ボクサーで今タレントさんの赤井英和さんというのは浪速のロッキーと呼ばれていまして、辰吉丈一郎さんは浪速のジョーと呼ばれていまして、私は一応、浪速のブラック・ジャックと大阪では呼ばれているんですけれども、ヘルニアの痛みとか、そういう苦しさを取り除くだけじゃなくて、人生においてさまざまな楽しみを取り戻すことができます。

先ほどの古本議員のお話にもあったんですけれども、私の手術は大きなデメリットがありまして、それは自費診療ということです。保険の適用外でありますので、患者さんの負担が大きくなってしまいます。しかしながら、自費診療ということは健康保険の適用外ということで、年々肥大し続ける社会保障費の増加に私の医療行為は含まれていない、そういうことです。毎年一兆円規模で増大する社会保障費が、日本の財政を残念ながら悪化させている一因となっていることは明らかでございます。

話はちょっとかわるんですけれども、先日、二〇一九年の日本のラグビーワールドカップの出場が決まって、いわゆる開催地について決定がございました。その中に、ラグビーの聖地である東大阪市の花園ラグビー競技場も見事に選ばれました。

またまた手前みそというか、ちょっと自慢になりますけれども、今から三十三年前の一九八二年、昭和五十七年に、私も全国高校ラグビーフットボール大会に、兵庫県の神戸高校というところなんですけれども、兵庫県の代表として出場しました。記録によると、そのときの社会保障関係費、一九八二年、昭和五十七年では九兆円になっています。

そこから、医者になって椎間板ヘルニアのレーザー治療をして、昨年お亡くなりになったやしきたかじんさんの椎間板ヘルニアを治療した二〇〇六年、この当時の社会保障関係費は二十・五兆円になっております。そして、私が国会議員に初当選した二〇一二年の社会保障関係費は二十六・三兆円でございます。そして、平成二十七年度予算における社会保障関係費は三十一・五兆円と年々増大しております。

もちろん、高校時代、一生懸命ラグビーをやって花園に出て試合をしている私は、その九兆円という社会保障関係費のことを実感しているわけでもなく、私自身も今グラウンドドクターも兼ねてやっているんですけれども、社会保障関係費は大事なことはわかります。しかしながら、今申し上げましたように、年々年々増大しておるのは事実でございます。日本の財政再建のためにはこの社会保障費の抑制が不可欠であるというのは、皆様も共通の認識だと思うんです。

ここでお尋ねしたいのは、一年ごとに一兆円規模で増加する社会保障関係費を、財務・金融大臣としてどのように抑制していかれるおつもりなのか。麻生大臣にお願いいたします。

麻生国務大臣

これは、伊東先生がおっしゃるように、国家予算九十兆のうち三割が社会保障ということになって、しかも、保険ではとても賄い切れず、税金もというような形で、公費負担相当が約四割ぐらい、保険料は依存しておりますので、大きな金なんだと思いますが、やはり特例公債等々で先送りをというのはいかがなものかということは、皆ほぼ同じ認識になってきておられるような感じがしますので、かつてみたいにわんわんわんわんということはなくなってきた、私はそれはそう思っているんです。

公債依存度は二十七年度が三八%まで落としてきていますけれども、いずれにいたしましても、私たちのもうちょっと後の世代の、いわゆる団塊の世代と言われる方々が七十五歳になられるのがオリンピックの二〇二〇年ということになるので、そうするとやはり、受益と負担のバランスのとれた社会保障制度というのを今後構築していくことにならないといかぬということなんだと思います。

これまでの安倍政権の中でまずやらせていただいたものは、いろいろ、まだ時間があれだと思いますが、三つやりまして、生活保護の見直しが一つです。これは約六・五%ぐらい、この三年間で減ったと思います。診療報酬の改定もさせていただいて、平成二十六年度予算でいきますと一・三六%の引き上げ、診療報酬本体に戻さずという形にさせていただいたり、平成二十七年度ではいわゆる介護報酬の改定というのを、二・二七%などの改革をさせていただいております。

いずれにおいても、こういったようなことではなくて全体のことをきっちりと考えてやらぬと、今後、少子高齢化ということが進んでいきますと、これは間違いなく、先ほど間接税の話も出ていましたけれども、働いておられるいわゆる勤労世代が減ってきて、そうじゃない世代がふえてくるということになりますと、どう考えたって社会保障というものは高齢者になればなるほど高くなりますので、いろいろなことを考えていかないといけない。今のような、現象面だけちょこちょこちょこちょこじゃなくて、全体を考えないといかぬところまでもう来ている、私はそう思って、同じ七十歳でもぴんしゃんしているのもおれば、私はもう七十五歳ですから、後期高齢者ですからね。だから、小学校の同窓会なんかに行けば、テレビでしょっちゅう見ているので、太郎、元気かと言われても、声をかけた本人は、ほぼ原形をとどめないような顔に変わっている人。全くわかりませんものね、これじゃ、声をかけられても。知ったふりはせないかぬし、本当に困るほど違うんですけれども。

しゃんしゃんしているのもいるんですよ。すっと歩いていくのもいるし、全く、あんなに元気だったやつがというのを見ますと、やはりそういう健康年齢の高い人がふえる比率という形を考えるという全体で考えないと、長野県の佐久記念病院の話やら何やら聞きますと、一人当たりの医療費は全国平均で多分今でも最低になっておると思います、一番最高のところと比べて半分ぐらい違いますので。そういった意味では、やはり全体で考えねばいかぬ問題というのは非常に幅広くいろいろある、私どもはそう思って、これはすごく大きな問題だと認識をいたしております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。

大臣も先ほど、現象面を捉えるんじゃなくて全体をとおっしゃっていただいて、医療の世界でも、血が出ている、血をとめるのは当たり前だけれども、何で血が出ているか、けがをしているのか、そもそも血がとまりにくい体質になっているのか、対症療法というんですけれども、その場その場じゃなくて全体を見るというのも大事なので、まさしく日本の財政の病に関しまして、全体を見ることも大事だと思うんです。

ただ、まさしく昨年末の総選挙の前に、この財務金融委員会で麻生大臣に、同じような、社会保障関係費の抑制についてお尋ねしたときに、これは別にあのときの答弁がどうだったと言っているわけじゃなくて本当に心配しての質問になるんですけれども、あのときは、国際的な信用もあるので消費税の増税を延期することは現時点では考えられないと、お立場もあってそういった答弁だったと思うんです。

では、逆に考えますと、財源として、社会保障関係費の財源をということで消費税増税があったと思うんですけれども、一方では社会保障関係費を削減しなければいけないけれども、かといって社会保障の充実という意味も考えて、抑制、抑制と我々そして私も申し上げますけれども、この現在の状態で社会保障関係費の財源としては大丈夫なんでしょうか。そのあたりを関係者にお答えいただければと思うんです。

麻生国務大臣

大丈夫なんでしょうかという、その大丈夫の定義が物すごく難しいと思うんですが、全てが今のままでいきますと、人口構成、人口減、それから少子高齢化という点だけが変わっていくことは間違いありませんので、その点からいけば、極めて大丈夫ではないということだと理解をしております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。もちろん、大丈夫なんでしょうかと御質問すれば、大丈夫じゃないとお答えされると予測してお聞きしたわけなんですけれども。

いずれにしても、財政再建のために社会保障費の削減は避けて通れない。つまり、入ってこないのであれば、出る方を考えていこうよということは正しいことだと思いますし、入ったとしても、無駄な歳出があるのであれば、それをみんなで考えていこう、そういう時代になっていると思うんです。

社会保障と税の一体改革の中でも常々議論、昨年も議論になったんですけれども、後発医薬品、つまりジェネリック医薬品の使用促進というのも大きな柱となっております。現在、ジェネリックの医薬品というのは社会保障費の削減に大きく貢献していますし、今後もその割合をふやしていこうという答弁は、昨年、解散前の臨時国会において麻生大臣にもいただきました。

ジェネリック医薬品というのは、いわゆる化学的な結合でつくられている、そういった薬剤に対しての後発品ということなんですけれども、今現実に世界のベストテンのうち七品目入っているのがいわゆるバイオ医薬品と呼ばれるものでありまして、一つ一つの単価が非常に高いわけです。バイオ医薬品自体、非常に副作用もなく、効果もあるということで注目されているわけなんですけれども、このバイオ医薬品と普通の医薬品というのは別物として捉えられております。

このバイオ医薬品の後続品であるバイオシミラー、先日の予算委員会でも塩崎厚労大臣にも質問させていただきました。バイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーもジェネリック医薬品と同様に社会保障費削減に貢献できると考えているんですけれども、財務省としてはどのようにお考えか、もしくは麻生大臣はどのようにお考えか、お答えいただければと思います。

麻生国務大臣

ジェネリックの中でも、高分子、低分子、多分その分け方でなっているんだと思いますので、その程度の知識しかありませんけれども、多分、バイオに似ているからシミラーなんでしょうね。そういうような、バイオ医薬品の後続品ということになるんでしょうが、日本においては、これはジェネリックということで分けないで、一分類で分けてあるというのは事実そうなっております。

これにつきましては、後発医薬品の普及というものは、アメリカでも九割ぐらいになっていると思うんですが、日本はついこの間まで四割ぐらい、それが少し上がってきましたので、今六十幾つまで上がってきていると思いますけれども、それでもまだまだ。そういった中にあって、バイオシミラーの方につきましても、普及はさらに低いということははっきりしております、日本の場合は。

そういたしますと、日本としてもさらなる普及というのをやっていく必要に迫られているのははっきりしている、私どもはそう思って、これに対する抜本的な対策というのを考えないかぬ。これは主に厚生省がおやりになるんだと思いますけれども、私どもにとりましては、その方が効果があって、がたっと下がるというのでは、これは極めて大きい意味を持つと考えております。

伊東(信)委員

先ほど、高分子と低分子とおっしゃっていただきましたけれども、まさしくそのとおりで、簡単に言うと、分子ですので目には見えないですけれども、これぐらいの粒がこれぐらいの大きさ、それぐらいの差、大きさの違いがあります。

シミラーという言葉、似ているとおっしゃいました。まさしくそのとおりで、あえてジェネリックという言葉を使わず、バイオ、生物に似ているという表現を使っているわけなんですけれども、あえてこのバイオシミラーを分けているというところを御理解いただければと思います。

通告もしていませんので、質問もしませんけれども、先ほど、ジェネリックは海外では九割、これは数の問題だと思うんですね、日本は四割から六割に上がってきていると思うんですけれども、医療費においてはほとんど、バイオシミラーが薬の中で占めている割合が大きいわけです。

これはなぜかというと、生命にかかわる疾患を扱うときに生物製剤を使うからです。がんの免疫療法であったり、成長ホルモンであったり。免疫抑制剤というのもあります。免疫抑制剤というのはリウマチなんかで使うものなんですけれども、その免疫抑制剤が必要なのが、有名なところでクローン病であったり、潰瘍性大腸炎であったりするわけです。ですので、本当に、安倍総理なども潰瘍性大腸炎の治療で生物製剤を使うのであれば、このバイオシミラーも考慮していただきたいと思っております。

先ほど、同じ世代の人間にもいわゆる健康寿命というのがあって、すごく元気な人も、ちょっと残念ながら衰えてはる方もおられるとおっしゃいましたけれども、やはり、元気であれば働く意欲もあって精力的なので、金銭面というか収入面でも違いというのは残念ながら出ています。社会保障ですので、それをカバーするために高額医療というのがあるわけなんですけれども、現実、ジェネリックで安くなれば患者さんの負担も少なくなるということがあるんですが、バイオシミラーの場合は、生物製剤はすごく高額ですので、バイオシミラーにして減っても、高額医療費を超えてしまうわけですね。だから、患者さんの負担というのは変わらないんですよ。

だから、まさしく大臣には現象面じゃなくて全体をとおっしゃっていただいたので、こういった制度のことがあってバイオシミラーというのは注目されていないというのも、ここでちょっと御理解いただければ幸いです。

この話をするとちょっと長くなるので、バイオシミラーの話はここらでおさめまして、ここからはNISAについて御質問させていただきます。

昨年、イギリスのISAの日本版として創設されたNISAですけれども、発売された当初と発売される前は割と期待もされていたんですけれども、残念ながら、期待したほどの成果を上げていないように感じます。

NISAは、二十以上の人が証券会社や銀行に専用口座をつくると、通常だと源泉分離課税二〇%が課されるところ、配当金や売却益にもこれが課されないというものです。このNISAの役割というのは、今まで株式市場にかかわりがそんなに深くない個人と特に若い世代の方々、若い人たちが投資を始めるきっかけになればということでしたけれども、NISA口座を開いた人のうち、若いと言われている二十代から三十代の割合は何と二〇%以下。若い世代の投資に対する関心の低さというのも、今回のNISAの導入によって明らかになったのではないかなと思います。

仮にNISAに興味を持ったとしても、やはり二十代の方は、三十代の方もそうなんですけれども、ネット世代と言われていまして、ネットになれている若い世代からは敬遠されている傾向もあるようです。NISAの口座というのは、窓口に行って、本人確認のために住民票というのも必要になってくるので、ネットとかに比べて面倒くさい、住民票もとりに行かないといけない、そういった声も聞かれるのも事実です。

ただ、NISAの専用口座自体は、初年度の目標を大きく上回る八百万件を超えております。しかしながら、実際には、投資に使われない状態の、いわゆる休眠状態の口座が半数を超えて、稼働率も五〇%を切っておって、ちょっと言葉は悪いですけれども、二十代、三十代が二〇%以下ということは、四十代、五十代で、そもそも投資をされたり銀行や証券会社とふだんからおつき合いのある方が、担当の方とか銀行や証券会社とのおつき合いで口座を作成しただけにすぎなかったといった事実も多々あったようです。ある意味いいことなのかもしれないけれども、投資初心者にとっては商品が余りに多過ぎて、何を買えばいいのかわからないといった声もあるようです。

さて、今回の法案の中にもありますけれども、現在五〇%以下であるNISAの稼働率を今後どのように上げていくのか。方針がおありであれば、麻生大臣、教えていただきたいのですけれども。

三井政府参考人

お答え申し上げます。

NISAの稼働率を上げる戦略についての問いでございます。

先生御指摘のとおり、口座数は八百万口座を上回りますし、買い付け金額も三兆円弱ということでございますが、伝統的な窓口営業を主体としている証券会社について見ますと、稼働率が約四五%ということは御指摘のとおりでございます。この稼働率を上げていく取り組みにつきましては、多面的な取り組みが必要かと思っております。どのような投資商品、金融商品を提供していくのか、また、それを投資家にどのように説明したりPRしていくのか。

また、投資家サイドについては、投資リテラシーあるいは金融リテラシーというものをさらに上げていくような努力が必要かと思います。従来、預金に何となく置いておいた、あるいは寝かせておいたということから、経済が正常に、緩やかなインフレになっていく、こういう経済が変わっていく中で、適切な資産分散のあり方というもの、これは投資教育とか金融経済教育というふうに申していますが、こういったものに取り組んでいく必要があると思っております。

金融庁としても、金融庁が主催したり、あるいは他の方が主催されるものに共催、後援の形で、例えばシンポジウムやセミナーを開いたり、あるいはそれに参加したり、そういうことに取り組んでいらっしゃる方をサポートしたり、あるいは、実際には、こういう投資教育に参加していらっしゃる方々の集まりなどがありまして、その方々向けに、金融リテラシー・マップといいまして、さまざまな世代、小学生、中学生とか、それから、家計の設計からリターンとリスクの関係のように、項目に分けまして、勉強する、習得する目標のようなものを掲げていますが、そういったものを分類したものをみんなでつくっておりまして、それを参考にしながら、投資家あるいは消費者と接しておられる方々がそれぞれ創意工夫を凝らしてパンフレットや資料をつくって、セミナーなど、あるいは講師、講演などをしておられます、こういったことをサポートしているという状況もあります。

また、金融機関向けには、金融機関がNISAの趣旨にかなった商品をつくるように、監督指針、これは金融商品取引業者向けの総合的な監督指針という名前のものでございますが、これを改定しまして、そういう商品をつくることを慫慂したり、あるいはその説明などについても、的確な説明をすることを求めております。

こういった多面的な取り組みが必要だと思いますし、地道な取り組みが必要だと思っておりまして、それをしっかり進めてまいりたいと思っております。

伊東(信)委員

こういったものは、ミラクルメディスン、特効薬はないと思うんですけれども、当たり前ですけれども、地道にやっていくということなんだと思うんです、今の答弁をお聞きすると。

では、五〇%を切っている稼働率で、四五%だと今答弁いただいたわけなんですけれども、これは今の施策でどれぐらい上がると見込まれていますか、もしくはどれぐらいを目標とされているんでしょうか。

三井政府参考人

お答え申し上げます。

限度額というのを今設定しております。これまでのところは年間投資額百万円でございまして、今回、月々に投資する切りのいい数字ということで、月々十万掛ける十二カ月ということで、百二十万に上げさせていただいています。これは、百二十万円が目標といいますよりも、十万円という切りのいい数字で投資できる、こういう趣旨で制度変更をお願いしたものでございます。

目標といいましても、それぞれの家計の資産状況、収入状況がまちまちでございますので、一律にこれを全部一〇〇%、改正後であれば百二十万円に持っていくということは、やり過ぎるということではないかと思います。むしろ、それぞれの方々のライフサイクルあるいはその人生設計に応じた適切な資産形成をしていく。こうした中で、平均的には百二十万円、あるいはジュニアNISAも入れますと、それにプラス、一人のお子さんに対して八十万円、こういったものを適切に組み合わせていただいて、それぞれの方々に適した、ライフサイクルに応じた資産形成に対するインセンティブとして機能していただけるとありがたいと思っています。

ちなみに、例えば、主要証券会社十社の稼働率ですが、年末時点では四五・一%というふうに公表されております。一月前の数字で見ますと四〇%でございまして、これは相場状況もあるかもしれませんけれども、一月で五ポイント上がっております。こういったところから聞こえてまいりますのは、相場状況や経済状況などである程度振れるものであるということでございます。

要約しますと、マーケット状況などで振れる、もう一つは、それぞれの方々の資産形成、ライフサイクルに応じたものであるということを踏まえながら、我々も努力してまいりたいと思っております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。

施策としては、それぞれよくわかるんです。四〇%から四五%まで五ポイント上がってきたということもわかりますし、経済状況もよくわかるんです。

そんなに追及すべきものではないので、金融庁の方針としてお聞きしたいだけなんですけれども、特にこれは、何%とかという目標を決めなくていいと捉えているという解釈でいいんですか。稼働率が上がらない、休眠状態の口座がふえている、かつ、財政を、金融を、経済を活性化させるお金の流れをつくろうという目的とお聞きしたんですけれども、そもそも、五〇%程度、五〇%以下というのは想定内の数字であって、あとは自然の流れに任せればいい、そういった解釈でいいんでしょうか。

三井政府参考人

お答え申し上げます。

流れに任せるというよりは、むしろ能動的に私どももNISAの普及に向けて積極的に取り組んでいかなければならない、こういう責務を有していると思います。

他方、先ほどの説明が不十分だったかもしれません、それぞれの家計なり、国民の皆様方のライフサイクルや資産形成のあり方によってまちまちであるというふうに申し上げましたのは、この制度は課税の公平という観点から上限の限度額を設けております。

それぞれの家庭によって、非常に大きな資産をお持ちの方であれば、この百万円、あるいは百二十万円というのは非常に小さな上限額ということになろうかと思います。こういう方々にとっては、適切な資産形成とか、あるいは、マクロ経済にリスクマネー、成長資金がめぐっていくという観点からは、この百二十万円を超えて大きな金額が分散投資の適切な割合としてリスク資産に投資されるということが恐らく最適、望ましいのではないかと思われますし、また、非常に収入や所得、資産の少ない方にとっては、恐らく百二十万円、仮に手元に現金があったとしても、現金や預金とリスク性資産を適切に分散するという観点からは、上限額に満たないケースもあり得ると思います。

そういうことで、全体がそういうふうな分布になっていく中で、よりマクロとして、全体として使われるように精いっぱい努力をさせていただきたい、こういうふうに考えている次第でございまして、そういう意味では、能動的かつ積極的にしっかり取り組んでいかなければいけないというふうに思っている次第でございます。

伊東(信)委員

ありがとうございます。

私も、積極的に取り組んでいないんじゃないかと指摘しているわけではなくて、何らかの数値目標があるのかなという御質問でした。本当にまだまだNISA自体が課題を抱えているわけで、そういったことで質疑もさせていただいているわけなんですけれども、イギリスのISAも、きちんと根づくまでは十年以上現実にかかったようですので、根気よくNISAを根づかせるために、さまざまな改良が必要であると考えております。

しかるに、申しわけない話ですけれども、私自身、今まで投資信託ということを本人としてはやったことがなくて、財務金融委員会所属ということもありますし、NISAの口座を開いて身をもって体験しようかなと考えておりまして、まずは投資信託の本を購入しまして飛行機の中で一生懸命読んでいるんですけれども、商品が多過ぎることはもちろんのこと、口座を開く銀行とか証券会社でもやはり迷ってしまうんですね。

議員会館の中に入っている地下のりそな銀行のATMの近くに、NISAの口座、開きましたかというチラシもありまして、NISA自体が身近になっている、そういうことは感じております。

昨年から始まりましたこのNISAなんですけれども、若年層を含む幅広い層への投資の裾野拡大が期待されておりまして、若年層の世代においては月々の給料から将来に向けた投資を行う、月々の積み立て投資は、投資時期の分散という観点からも投資リスクの分散に役立つと考えられます。

先ほどの御答弁で、今回の見直しにおいて限度額を百万から百二十万に引き上げることになったと。確認ですけれども、一カ月十万円掛けることの十二カ月というわかりやすい数字、そういうことですね。積み立て投資を行う際の利便性を向上させて、中期的な投資を呼び込む効果があるということでした。

では、しかるに一方、現実はどうかというと、現在のNISAの平均利用額は七十万程度と言われております。七十万程度なのに、利便性を考えて百万から百二十万に上げることに関して、やはり意味がないような気もします。

だから、NISAの稼働率が、しつこいようですけれども五〇%以下、平均利用額は七十万程度、限度額は百万なのにまだまだ枠は平均で三十万残されている、そのような中でNISAの投資枠を百万から百二十万に引き上げることについて利便性以外にも趣旨とか意義というのがあれば納得もできるんですけれども、もしそういった趣旨とか意義があればお答えいただけますでしょうか。

三井政府参考人

お答え申し上げます。

平均いたしますと、先生御指摘のとおり、七十七万円前後という数字が出てまいります。これも対面営業を中心とする証券会社十社の数字でございます。全体の悉皆的な数字がなくて大変恐縮でございますけれども、ネット証券について、これはサンプル的にネット証券五社について、ネット証券ですと金額分布がわかるということで、過去、制度開始当初にお聞きしたことがございます。

時期的には、少し古くて恐縮でございます、二十六年一月時点、三月時点という時点で見ますと、実は、ネット証券などで見ますと、八十万ないし百万、したがいまして、上限ぎりぎりあるいは上限いっぱいの投資の方に大きなこぶがあります。一月ですと三分の一、お客さんのうち三二、三%ぐらいが上限いっぱいになっていて、真ん中が少なくて、また、十万から二十万の間、一月当たり、百を十二で割りますと八万六千六百六十六円になりますので、そういった金額の前後の方々に山があります。

真ん中が少ないということでありまして、平均的に五、六十万とか、要するに、四五%、四十五万とか、あるいは七十七万とかいう数字というよりは、上限に張りついている方と、それから、この時点では非常に低い金額だったりとか、現在勉強中なり迷っている、あるいは、まだ投資の決断がつかないといってゼロの方、その両極で少し山がある、こういった状況でございました。

したがいまして、平均的にみんなが七十万ぐらいなので上限が使われないというよりは、そういった投資状況を見ますと、月々掛ける方には利便性を高めることによってそれなりの投資のインセンティブがある、上限いっぱいの方々で見ても若干の引き上げ効果がある、こういうふうなことは考えておりまして、さらにその投資状況を我々もよく見ながら、きめ細かい対応が必要だと考えております。

伊東(信)委員

わかりました。平均の利用額は、いわゆるモードというか山の頂点になっているというわけじゃなくて、ならして七十万程度ということと、上限を引き上げることによって、気持ちの喚起というわけじゃないですけれども、そういったような目的と理解いたしました。

若者への投資を喚起するという意味でのNISAなんですけれども、このたびの改正において、さらにジュニアNISAが創設されるようです。ジュニアNISAは、若年層への投資の拡大、加えて、高齢者に偏っている膨大な金融資産を若年層に移転するような契機になるのではないかと理解しております。

改めてここでお伺いしたいんですけれども、ジュニアNISAの創設の趣旨と概要について御説明いただきたいんです。

三井政府参考人

お答え申し上げます。

ジュニアNISAの制度創設の趣旨でございます。先生が先ほど御指摘のとおり、若年層の利用が一割ないし二割という状況にとどまっているということでありまして、若年層を含む投資の裾野拡大に向けてさらなる取り組みが必要であるというふうに考えた次第でございます。こうしたことへの策の一つといたしまして、未成年者にNISA口座の開設を認めるジュニアNISAというものを創設いたしまして、若年層への投資の裾野の拡大のきっかけになってはというふうに考えた次第でございます。

また、資金の出し手となることが想定されます親とかあるいは祖父母世代、高齢者の方々から若年層への、世代間の資産の移転ということも念頭に置いています。

高齢者などに資産形成についてのアンケートをとりますと、どういうことにお金を使いたいですか、あるいは、そのために資産形成、貯蓄が必要ですかという問いに対して、自分の老後なり病気の心配といったことに次ぎまして、孫や子供へ何がしかの資産を残したいというものが高い割合で出てまいります。

そうしますと、現状でも預金という形で資産移転がかなりされているというふうに推測されるところでございまして、こうしたお金が資産のまま、未成年ですので、能動的に何か働きかけないとすると、そのまま預金や現金の形でいわば眠っている、置いておかれるような形になっているところにこういった制度をもちまして投資へのインセンティブを付与するということが、資産形成にも結果的にプラスになると思いますし、あるいはマクロ経済に対しても、成長資金、リスクマネーの供給の拡大につながるのではないか、こういうふうに考えた次第でございます。

伊東(信)委員

ありがとうございます。

要するに、ジュニアNISAというのは、一に若い世代の投資家を生み出すということと、高齢者から若年層への資産の移転、そういった趣旨があるというように理解しております。

千六百兆円を超える個人金融資産の約六割を六十歳以上の高齢者の方が持っていると言われております。高齢者の方から若い世代にお金が流れれば、若い世代の方に余裕ができて、消費がふえる可能性も確かにあると思います。また、若いときから投資に触れる機会ができれば株式投資に前向きな、まあ、無関心というのもあるかと思いますけれども、投資をするべき財源がなければ、機会というよりも、そういった気持ちも湧かないだろう、だから、このジュニアNISAによって株式投資に前向きな若者がふえる可能性もあると思います。

私は現在五十一歳で、息子が十五歳なので、五年、十年して、もしかして私も孫ができちゃうかもしれないんですけれども、これは可能性ですよ、おじいちゃん、おばあちゃんがかわいい孫のために資産を移転するための相続税対策にもなるのではないかと理解しておるんですけれども、私の友人、知人、もう既に孫ができている者もいてます。その友人、知人もジュニアNISAに関心を持っている人が多いんですけれども、皆さんから口をそろえて聞かれることは、結局、ジュニアNISAの年間の八十万円の枠は、贈与税の非課税枠の百十万円の枠内に含まれているのか否かということです。

一般の皆様にとって、今、残念ながら表に出ている資料からはよくわからないようなんですけれども、これは含まれているという理解でよろしいのでしょうか。

三井政府参考人

お答え申し上げます。

先生の御指摘のとおりで、八十万円ということですので、各年の贈与税の基礎控除額は百十万円でございますので、その八十万円だけを例えば孫に贈与するということであれば、この基礎控除額内におさまるということになろうかと存じます。

伊東(信)委員

ありがとうございます。

本当に、多少資産を持っているおじいちゃん、おばあちゃんはやはりかわいいお孫さんに資産を移転したいと考えているようなので、政府の意図と一致しておるんですけれども、やはり贈与税との関係をもう少しクリアにできたらと思いますので、また御検討の方をよろしくお願いいたします。

先日の委員会におきまして、麻生大臣から御答弁いただいたんですけれども、若年層の金融教育が非常に大切だということは共通の認識だと思います。

今回のジュニアNISAはゼロ歳からですので、その年代は相続税対策でありますけれども、中学生ぐらい、早ければ小学校の高学年くらいからは、お子さんによっては主体的に投資に向き合うこともできようかと考えられます。金融教育におきましては、投資ということだけじゃなくて、ややもすれば社会的な問題になるクレジットカードやローンについても金融教育は必要と感じております。

日本におきましても、お金について学ぶことに対して、嫌悪感といいますか、きれいなことじゃないように受け取られることもややもすればあるように感じております。しかるに、金融教育というのはやはり世の中で生きていく上で非常に大切なことでありますし、逆に、金融教育を経ないで社会に出てしまうマイナス面というのもきちっと考えるべきであると思います。

先日の御質問で申し上げたとおり、投資でいうと、麻生大臣から知っているよと御答弁いただいたコミックですけれども、「インベスターZ」、クレジットカードや消費者金融でいうと「ナニワ金融道」とか「ミナミの帝王」など、金融に関して、学校からではなくて漫画から知識を得ているのが現状である。これは事務所に来ているインターン生から聞いたんですけれども。

先ほど政府の御答弁にあったように、いわゆる金融リテラシーの向上はやはり大変重要でありまして、金融庁は、関係の諸団体や機関などと連携して、小、中、高、大学生、社会人、さまざまな年代別それから項目別に、最低限身につけるべき金融リテラシーの内容を具体化、体系化した金融リテラシー・マップを金融経済教育会議で作成しているようです。これも、金融庁だけでなく、関係団体、専門家の方々とともに議論、検討しながら作成したと聞いております。これらをベースにして、各年齢別にモデル事業を行ったり講師を派遣して講義をしたりと、さまざまな取り組みを行っているというのも聞いております。先ほどの御答弁にありました。

その金融リテラシー・マップを拝見させていただきますと、私が訴えていた金融教育に近しいものがあるとは思いますけれども、このマップと実際の教育現場とのかかわりについてちょっと教えていただきたいんです。

麻生国務大臣

今言われたように、「ナニワ金融道」が出たからあれですが、投資の話について、最近ですと、「モーニング」の藤田学園のあの漫画の話の方がよっぽど、投資に関しては漫画としてはよくできていますよ。僕はそう思います。あっちは金貸しの話ですけれども、こっちは金融、投資の話ですから。そういうものの方が、私は、子供にはすっと入りやすいというところだとは思っているんです。

こういったものは、きちんとどこかで若いときに勉強しておかないと、いい年こいてから、いきなり帳簿の簿記なんかやったって、貸方、借方が全くわからない人がいきなりゼロからスタートするというのは、頭がもう固まっていて無理ですから。比較貸借対照表って何を比較するんですかなんて言われても困るんですよね。だけれども、それを現実に知らないとどうにもならぬから、もうちょっと、日本では、商業学校とかでないと、普通高等学校じゃ簿記とかを教えてくれませんから、どうしても早いことこういうものを、基礎的なところだけでもちょっと入れておかれたらどうかなと思います。

日本の場合は、お金はとにかく現預金でじっと持っている方がかたいということになっているんですけれども、今は全然金利がつかないわけですから、そういった意味では、お金をある程度持てば、その持ったお金を何に使うかという発想をきちんと立てて、そういったものでひとつ、投資というのは決してやましいことでも何でもありませんから、ちょっと思考回路がそういったような方に行くように、ある程度目を向けてもらうだけでもと思って、最低限身につけるべき金融リテラシーとか基礎知識みたいなものの内容をいろいろまとめて今公表したところなんです。

さらに、これに基づいて、実際の教育の現場で各種の取り組みをやってみようと思って、平成二十六年度は二件実施させていただいております。高校などへの講師の派遣を毎年百件程度実施いたしておるんですが、高校ぐらいになりますと、パンフレットを配付したりなども実施しております。今後とも、若い人たちに、若いうちからこういったものに関心を持ってもらう、野球に興味を持ったのと同じように、こういったものに関心を持ってもらうというだけでも大きいと思います。

私どもとしては、今、日本の場合は非常に、個人金融資産というのは世界で一、二を争うほど皆持っておられるんですけれども、それが明らかに現預金に偏在し過ぎていると思われます。五割を超えるというのは少々偏り過ぎているかなという感じがしないでもありませんので、その一部でも、こういったものに関心を持ってもらうというのは、その金が生きてくることになるだろうと期待はしております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。

「ナニワ金融道」というのは投資ではなくてカードや消費者金融のことであって、「モーニング」の「インベスターZ」、藤田学園が出ましたけれども、そういう学校があって、そこの投資部というお話ということを説明していただいたと思うんです。

麻生大臣、いい年こいて社会に出て金融の世界に行くということをおっしゃいましたし、そこでなかなか勉強しづらいとおっしゃっていましたけれども、私、実は、医学部に行きながら経理学院に二年間通っていまして、日商簿記、残念ながら一級までは国家試験と重なって無理でしたけれども、二級まで取っています。

ただ、医者仲間で、借方、貸方とかバランスシートというのも全然話が通じないんですよね。今の同世代の開業医でも本当に税理士任せ。そういった点でもやはり一つ問題ではないかなと思いますので、この金融リテラシー、教育現場の中で関心を持ってもらうというのは非常に大事なことだと思います。

時間も押してきましたので、続きまして、出国時の譲渡所得課税の特例についてお尋ねいたします。

租税条約上、株式等のキャピタルゲインについては株式等を売却した者が居住している国に課税権があるとされて、実際に売却した時点で納税者が居住する国において課税されております。これを利用して、巨額の含み益を有する株式を保有したまま出国して、キャピタルゲインの非課税国、例えばシンガポールや香港において売却することによって課税を逃れる者もいると聞いております。

このような課税逃れに対応するために、一定の高額資産家を対象に、出国時に未実現のキャピタルゲインに対して特例的に課税ができるようになり、また、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダでは、既に出国時の譲渡所得課税の特例を導入していると聞いておるんです。

一定の高額資産家というのは出国時の有価証券の評価額が一億以上の者であり、かつ、出国直近十年内において五年を超えて居住者であった者に特例的に課税することとしましたけれども、対象者として見込まれる人数というのはどれぐらい想定されているんでしょうか。

佐藤政府参考人

お答え申し上げます。

お尋ねの特例措置でございますけれども、これは初めて導入するということもありまして、人数をかなり、目の子の計算でしかできておりませんけれども、出国するときには出国の届け出を出すというようなこと、それから税務署に納税管理人を置くという届けを出すというようなことで、そういう納税管理人の届け出書であるとか、財産債務明細書の提出状況、きのう、必ずしも十分ではないと申し上げましたけれども、そういうものなどをかなり駆使いたしまして、本当に大ざっぱな感じでございますけれども、百人オーダーという感じだろうというふうには見ております。

ただ、これは、実際やってみますとどういうことになるか、ちょっとよくわからないところがございますので、とりあえず目の子のということでお答えさせていただきます。

伊東(信)委員

ありがとうございます。

現実の数と見込みの数が違うのは間々あり得ることなんですけれども、百人オーダーでやられるということで、であるのならば、現実、追跡しやすいというか、そのあたりのことを期待しております。

時間も本当に押し迫ったので、もう一問御質問したいんです。こちらはキャピタルゲインというわけじゃないんですけれども、海外の話を出しましたので。

日本国内に居住したまま香港やシンガポールなどのいわゆるタックスヘイブンに赴いて金融機関に口座を作成し、投資を行っているという人もふえていると耳にしております。

ところが、これをいろいろネット上で検索してみても、実態はわかりにくくなっております。その中で、月々五万円の積み立てで自分年金をつくろうなどのうたい文句も見かけたりしたわけなんですけれども、そこには、積み立てた商品から得た金利には税金がかからない、かつ、複利で運用するので、月々五万円で、三十年間で一億の資産をつくることができるともありました。

これが課税逃れに当てはまるかはわかりませんけれども、近年、シンガポールや香港にて口座を開き、投資を行う人がふえているのは確かだと思います。このような現状に対しまして政府はどのような御見解を持たれているのか、お尋ねします。

菅原副大臣

今、伊東先生がお話しのとおり、今の租税条約上は、株式等のキャピタルゲインを売却した者が居住している国に課税されるとなっています。また、当方の考え方としても、国外で稼いだ所得についても所得税の課税対象とする、こういう所得税法の考え方を持っております。

ただ、今お話があったように、シンガポールや香港、キャピタルゲインの非課税国に居住を移すなり、株式等を保有したまま出国して、これがまた未実現のものですと課税されないという状況があります。これを今回の改正案では、未実現のキャピタルゲインに関しましても特例的に課税をする、こういう法案となっております。

あわせて、イギリス、ドイツ、フランスでは非居住国においても課税をするという状況になっておりますので、そういう方向で進めていきたいと思っております。

伊東(信)委員

ありがとうございます。簡潔にお答えいただきましたので、よくわかりました。

本日は、NISA、ジュニアNISA、そしてキャピタルゲインに関しての課税の御質問をさせていただきました。

出国時の譲渡所得課税の特例に関しては、課税逃れを防ぐといった意味では課税強化でありまして、NISAに関しましては、高齢者層、若年層への所得の移転と若年層への投資の裾野の拡大という狙いのもとで非課税措置を行って、部分部分をとれば、今回質問させていただいたことに関しましてはやはり必要な措置ではあると思います。

これらにあわせて、私が冒頭で申し上げましたバイオシミラーも日本にとって大変重要な意味を持っておりますし、麻生大臣を初め財務省の皆様も同じ認識のことと存じ上げます。もちろんバイオシミラーは厚労省の管轄でありますけれども、麻生大臣が所信に述べられた財政再建に必ず寄与することと思います。

財務金融委員会所属の一員として、財政再建に寄与することができるような積極的な提案を今後もやらさせてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げますということをもちまして、私の質疑を終了させていただきます。

ありがとうございました。