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2015/03/10

第189回国会 予算委員会第八分科会 平成27年3月10日

いとうが大臣に問う!

議事録

伊東(信)分科員

維新の党の伊東信久でございます。

本日は、予算委員会の第八分科会ということで、太田国交大臣に初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

私は現役の医師、外科医なんですけれども、そして医療法人の経営者として、いかにして肥大し続ける社会保障費を抑制するのかということをテーマとして日々取り組んでおります。

太田大臣の所属されている公明党の桝屋敬悟議員とともに、まさしく本日、この質疑の後となるんですけれども、超党派でバイオシミラー議連というのを立ち上げまして、社会保障費の抑制に取り組んでまいります。

バイオシミラーというのは、簡単に言いますとバイオ医薬品の後続品でございまして、非常に大ざっぱな表現になるんですけれども、一般の医薬品でいうとジェネリック医薬品のようなものでありまして、バイオ医薬品、単価が高いものでございますし、医療費の圧迫にもつながっておりますので、バイオシミラーの議連によって医療費削減に大きく貢献できると考えております。

二〇一五年、本年はバイオ医薬品の特許が続々と切れる年でございますので、バイオシミラーという言葉が本年は世間をにぎやかせるかと思います。安倍内閣の重要閣僚のお一人でございます太田大臣もバイオシミラーのことは御承知のこととは思いますが、太田大臣と接することができる貴重な御機会でありますので、冒頭、御案内させていただきました。

さて、私の選挙区と申しますのは、大阪第十一区、枚方市、交野市というところでございます。大阪なんですけれども、ちょっと小さいですけれども、この地図でございますように、大阪府の中でも一番北東でございまして、京都府と県境というような場所にございます。

本日は、私の選挙区に流れております、大阪ですから大きな川として淀川が琵琶湖までつながっているわけなんですけれども、選挙区を流れております淀川の渡河橋、橋について御質問させていただきます。

淀川を渡る架橋は、現在二、三キロごとに架設されておりますけれども、これもちょっと小さなイラストとなっておりまして恐縮なんですけれども、ただ、大ざっぱに見ていただいてもおわかりいただけると思うんですけれども、実は、枚方大橋という橋があって、そこから京都の八幡市まで、八幡市の御幸橋というんですけれども、この間、十二キロにわたって橋がかかっていない状況にございます。

橋が不足しているために、枚方にかかっている唯一の枚方大橋に交通が集中しておりまして、容易に渋滞を引き起こす原因になり得るだろうということは御理解いただけると思うんですけれども、加えて、防災であるとかまちづくりの観点からも課題がございます。

現在、枚方市は、この問題を解決するために新たにかける橋として、都市計画道路牧野高槻線の橋梁、つまり、この間に新たなる橋を単独でかけるということと、現在、国の方で検討いただいております新名神高速道路の併設橋としての検討を行っているわけです。

新名神の併設橋とは、文字どおり、新名神がこうかかっていくわけですけれども、ここの新たに開通する高速道路に併設するような形で橋をかけようとするものだと理解しているわけなんです。

ここで、まずは一問目、お尋ねさせていただきたいのは、この新名神高速道路において、大津ジャンクションより西側についての開設予定時期について教えていただきたいのですけれども。

深澤政府参考人

お答え申し上げます。

ただいま委員の方から、新名神の大津ジャンクション以西についての開通予定ということで御質問いただきました。

新名神高速道路は、名古屋市から神戸市までを結ぶ、延長約百七十キロメートルの高速自動車国道でございます。

全て現在事業中でございますけれども、大津ジャンクションより西側の区間について順番に申し上げますと、大津から城陽の間、これは平成三十五年度供用目標でございます。それから、城陽から八幡、この間は平成二十八年度。八幡から高槻間、平成三十五年度。高槻―神戸間が、地元の協議が順調に進捗した場合でございますけれども、平成二十八年度ということで、供用の目標をNEXCO西日本の方で発表させていただいて、現在、事業をしているところです。

なお、平成三十五年度という区間が二つありますけれども、具体的に申し上げますと、大津―城陽間、それから八幡―高槻間ですけれども、道路公団民営化の議論のときに、平成十八年、当面着工しない区間とされ、その後、平成二十四年四月まで事業が行われなかったという経緯がございまして、ほかの区間に比べて開通時期がおくれているということでございます。

以上です。

伊東(信)分科員

深澤道路局長、ありがとうございます。

ちょっと済みません。最後のところで、行われなかった経緯というか、その間に協議されなかったり進まなかった理由というのは何かございますのでしょうか。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

道路公団民営化の議論のときに、ここの区間につきましては、周辺の道路状況の交通状況を勘案して考えるということで、当時、当面着工しない区間として認定といいますか、区間が指定されたところでございます。

以上です。

伊東(信)分科員

ありがとうございます。

道路状況につきましては、かなり個別のことになると思いますので、この場においては御質問は控えます。

ということは、きょうは高速道路、ハイウエーの話ではございませんので、併設橋のことをまずお聞きしたいわけなんですけれども、仮に新名神の高速道路の併設橋が実現したとしても、早くとも平成三十五年ということになります。

大阪の北東部に位置する枚方市というのは、古くから大阪と京都を結ぶ要衝地として栄えまして、人口四十万人都市のベッドタウンとして発展してきました。

しかしながら、してきましたと過去形になってしまうのも地元としてはちょっとつらいところなんですけれども、国道の一号線、百七十号線などの幹線道路の交通渋滞が本当に慢性化しておりまして、市内交通の円滑化を図るためにも、道路ネットワークの整備が必要となっております。

十二キロにわたって橋がかかっておらないので、枚方大橋に交通が集中している現状ですと、もう一つ、やはり、災害が起こったときに防災の面からの問題も生じてまいります。

例えば、現状ですと、不幸にして枚方に災害、それも大規模災害が起こった場合、医療機関としまして、現在、枚方市には、大学病院としては関西医科大学の枚方病院とかもございますし、昨年、市民病院が市立ひらかた病院としてリニューアルしたんですけれども、大規模災害で不幸にしてたくさんの負傷者の方が発生した場合、高槻市の大阪医科大学附属病院や三島救急医療センターに三十分以内で搬送できる範囲が狭くなっておりますので、これでは助かる大切な人命も助かりません。このあたりのことをやはり医療従事者として痛切に感じております。

そしてまた、不幸にして淀川が氾濫した場合、国道の百七十号線、百七十一号線は浸水の影響が大きいので、これまた枚方大橋に集中してしまいます。

そして、橋がかかることの恩恵として、新たに橋がかかることにより、商業施設の商業圏が拡大します。枚方市内だけじゃなくて、川の向こうの高槻市からもたくさんお客様が来られる。もちろん、枚方市の人が高槻市に行くこともさらに容易になります。そういうことで、市民の利便性も広がります。

我々維新の党は、ベースとしては、本当に不要な箱物や道路は建設すべきではないと考えておりますけれども、しかし、この新たな淀川の渡河橋は、人の命の問題とか防災、そして経済効果、この三つのいずれの視点で見ても絶対必要な橋であることは間違いないと地元を回って確信いたしました。

ひとえに高速道路の建設といっても、先ほどの政府参考人の御回答でありましたように、用地の買収問題とか地元の協議などさまざまな御苦労があると存じております。

平成三十五年度の開通を目指してさまざまな障害を乗り越えると存じますけれども、枚方市としては枚方大橋以外の新たな橋が、三十五年と言わず、一刻も早く必要であるということをまずはちょっと御理解いただければと思います。

過去の事例を見てみますと、他の高速道路、例えば新東名の高速道路では一年間の前倒しの開通がございました。御回答にありましたけれども、西から順に、城陽ジャンクションから八幡ジャンクションが平成二十八年度開通予定で、八幡ジャンクションから高槻ジャンクションは平成三十五年度、高槻ジャンクションから神戸ジャンクションは地元の協議がなされれば平成二十八年度開通予定ということなんですけれども、先ほどから繰り返し述べさせていただいていますように、淀川の渡河橋にかかわってくる八幡ジャンクションから高槻ジャンクションの開通は、七年おくれておるんです。

ここで、太田国交大臣にお尋ねしたいんですけれども、本当に繰り返しになって申しわけないんですけれども、一刻も早く新たな橋の建設が必要な今、八幡ジャンクションから高槻ジャンクション、ここの部分の前倒しの開通の可能性についてお聞かせください。

太田国務大臣

とまっていたということもあったんですが、確かにおっしゃるように、平成二十八年度開通というのが両方あるということからいきまして、真ん中のところの八幡ジャンクションから高槻ジャンクション、これが三十五年度開通ということは、かなり、七年差があるということは、地元にとっては少しでも早くと思うのは私は当然のことだろうというふうに思います。

しかも、非常に大事な名神高速道路や京滋バイパスの渋滞の緩和とか、あるいは大規模災害時における名神高速道路の代替路となるというような意義があるというふうに思っております。

こうした意義を踏まえて、地域の皆様の御理解と御協力をいただきながら、早期開通に向けて着実に整備を進めてまいりたい。いつと数字は申し上げられませんが、早期開通に向けて着実に整備を申し上げたい、このように申し上げたいと思います。

伊東(信)分科員

ありがとうございます。

太田大臣からの本当に前向きな御答弁、ありがたく思います。

地域、地元を常々歩いている国会議員としても、そして医療の立場からしても、防災の面でも、市民の皆様の利便性の面でも、そしてアベノミクス、今期掲げているように地方再生の観点からも、非常に重要な橋の問題でありますので、先ほど太田大臣、この七年おくれというのは地元の皆さんにとって非常にダメージだということを御理解いただいている非常にうれしい答弁をいただきましたので、この点に関しては地元に帰ってお伝えしたいと思っております。

さて、繰り返して申し上げますように、枚方市民にとりまして、枚方大橋に続く新たな橋の架橋というのは、もう長年の悲願であります。

ですので、やはり枚方市を歩いていると、橋はどうなんですか、橋はどうなんですかということをかようによく聞くわけです。一方で、地方自治体、枚方市の役所の皆さんとお話しすると、もしくは現場に携わる方々とお話しすると、幾つかの問題も指摘されるわけです。

現在も順調にこの枚方市民の悲願に向けてスケジュールをこなしていると存じますけれども、枚方市だけの問題ではなく、お隣の高槻市の御事情もあるかと思います。ちょうど高槻市側、淀川の向こう側の河川敷に鵜殿のヨシ原というのが広がっております。

この鵜殿のヨシ原というのは、いわゆる雅楽で使用されるひちりきのリードに用いられる。リードというのは楽器と口をつなぐジャンクションとなる部分でございまして、私、もちろんこれを吹くことはできませんけれども、聞いたことは何度もございます。良質のヨシの生育地が高槻市側の河川敷に鵜殿のヨシ原として存在しておりまして、自然環境はもちろん、歴史、文化的にも極めて重要な場所であることは重々承知しております。

さて、高槻市と枚方市を結ぶ新たな架橋の建設に当たりまして、鵜殿のヨシ原の環境保全に向けた検討会が設置されておりまして、ヨシの生育などに関する現状調査や保全対策の検討が行われていると存じ上げておりますが、現状の調査の状況について教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

深澤政府参考人

御質問のありました鵜殿のヨシ原、これは多様な動植物の生息、生育地となっております。また、ここに自生するヨシが、今委員御指摘のように、日本古来の伝統文化である雅楽のひちりきに使われていることは承知しております。

このため、これまでも、専門家から成る委員会を設置して、鵜殿を含めた河川環境の保全、再生に努めてきたところであります。

また、新名神高速道路事業に伴う鵜殿のヨシの保全につきましては、事業者であるNEXCO西日本が、平成二十五年一月に新たに専門家から成る検討会を設置し、これまで五回開催し、鵜殿のヨシの保全対策について検討を行ってきたところであります。具体的には、ヨシの生息環境に関する調査、ヨシの生育拡大を目指した調査、試験を実施しております。

今後とも、関係する皆様の御意見をいただきながら、新名神高速道路とヨシ原の共存について取り組んでまいりたいと思います。

以上です。

伊東(信)分科員

平成二十五年の一月ということは、二十五年、二十六年ということで、ほぼ二年ほど調査が入っていると思います。

さきの衆議院総選挙におきまして、また再び議席を確保させていただいた私でございますけれども、ちょうど一期目のときに、こういった調査の報告というのは、調査中ですよということは私自身も聞いているところなんでございます。

ここで答えられる範囲で構いませんので、鵜殿のヨシ原とこの新しい橋もしくは新名神のいわゆる共存というのはどの程度可能なのか、具体的な施策はされているのか、調査の内容についてもし触れられることがございましたら、現在の調査状況の内容について、調査しているのは存じ上げていますので、その内容について現在わかることで構いませんので、お答えいただければと思います。

深澤政府参考人

調査の内容でございますが、私が理解する範囲で申し上げたいと思います。

GPS等を用いまして、ヨシが大体どの辺にあるのかということを全体調査いたしました。その結果、ひちりき用のヨシの採取エリアというのは、高速道路を計画している橋から南に約六十メートル以上離れております。したがって、光や土壌、雨水等への直接的な影響はないというふうに考えられております。

あと、ヨシに対する水分の補給等につきましても、現在のところ特段問題ないというふうに調査の結果得られております。

なお、引き続き慎重に、その辺につきましては調査を進めていきたいと考えております。

以上です。

伊東(信)分科員

ありがとうございます。

本当にさまざまな問題、環境保全の問題も大事でございますし、かといって、市民の皆様の利便性、安全性という面も大事と思っております。

本日は、太田大臣の貴重なお時間をおかりしまして、私の地元である枚方の架橋について御質問させていただきました。先ほどの太田大臣の御回答にもありましたように、この枚方市の現状に対して、太田国交大臣には御理解していただいたと思っております。

現在、大阪の状況を考えますに、大阪の府知事は、前までは幹事長でしたけれども、事情がありまして、我が党の顧問であります松井知事であります。そして、高槻市側には同じく我が維新の党であります松浪議員もおります。大阪府、大阪府知事とのパイプも生かし、一刻も早い架橋の実現を目指してまいりますので、太田国交大臣におかれましては、何とぞ引き続き御協力を賜りたいと思います。

本当は通告にはなかったんですけれども、先ほどの鵜殿の件でも構いませんし、今回の枚方の悲願に関しまして、ちょっと私の質問に対する何かコメントをいただければと思います。済みません、これは通告にございません。

太田国務大臣

鵜殿の件については、森英介先生からもお話を聞いて、私も直接現地の議員にも聞いたり、あるいは地元の公明党の市会議員等にも聞いたりして状況を掌握しているつもりで、非常に貴重なものということを認識いたしております。

共存というか、工夫をすれば実現するという、高速道路もまた鵜殿のヨシ原も共存ができるということを私は今聞いているところですが、より一層詳細を調べて、何とか皆様方が両面満足できるようにというところを目指していきたい、このように思っております。

伊東(信)分科員

ありがとうございます。

冒頭、医療に関しまして、超党派でありますところの、バイオシミラー、つまりバイオ医薬品のいわゆる大ざっぱに言うとジェネリックみたいなものがありまして、それに対しての超党派の議連の立ち上げの話を御紹介させていただきました。

最後に本当に申し上げたいのは、我々は国会議員ですから日本の国全体のことを考えるのは当然ですけれども、やはり地域再生なくして日本の再生はないと与党の皆さんもおっしゃっていただいておりますので、先ほど太田大臣、地元の御党の市議会議員の先生から調査の話をもう既に鵜殿に関してはお聞きいただいているということは、非常にありがたいお話でございます。そういったところで、市民の皆様のために、国民の皆様のためになるのであれば、そこはもう党派を超えていろいろ協力をしてなし遂げたいと思います。

今回は、太田国交大臣におかれましては、この枚方の現状におきまして、非常に多大なる御理解をいただいたと承知しております。今後とも、何とぞ御協力を賜りたいという願いを込めまして、本日の質問の方を終了させていただきたいと思います。

本日は、ありがとうございました。

長坂主査代理

これにて伊東信久君の質疑は終了いたしました。